演出家より

二期目の挑戦

ドラマコミュニケーション演習の学生と芝居を作る上で、一番困難なのが授業時間外の稽古日程を組む事だ。 これは「ドラコミ」1期生でもある18期生と始めたこの演習の特徴で、履修者の殆どが他の実習を兼ね持っているからだ。 実を言うと、発表日を見つけるだけでも困難で、昨年度発表するはずだったこの作品は時期を探し続けた結果今日に至ったのである。 新学期早々から履修者7人に先輩2人が加わって即興を始め台本作りに取り掛かり、同期や後輩にスタッフを頼み込み、今月に入って見るに見かねた窮の助っ人が数名加わってやっと初日の目途がついたわけだが、私の心臓からでも毛が抜け落ちた。 授業中にアイディアは見つけられる。 構成も徐々に作り上げる事は出来る。しかし、演技に関しては、週一回の授業だけでは客に見せるレベルにはならない。 演技のレベルアップにはひたすら繰り返し稽古するしかないのだ。 が、この先、このような形式の実習発表がドラコミで続けられるのだろうか、今回が最後なのではないかと思っている・・・が、稽古は実に楽しかった! 今回はグロテスク表情仮面をつけて普段しちゃいけない演技と普段出しちゃいけない声に挑戦した。 表情の変わる事のない仮面と非現実的な演技からは、稽古時間の経過と共に極めつけの人間臭さが生まれる。 稽古中この瞬間に何度も遭遇出来たが、それを客にも見せられるかどうかが問題だ。 芝居とは、人と人との協力と信頼とほんの少しの才能で成り立つ産物である。

盛加代子